嫁入り前の火遊び

40代ゲイのエンディングノート

世界三大美徳のひとつ、仲良し

今日は母と妹とともに、老舗の和菓子屋が経営するカフェに昼メシを食いに行った。

良質な野菜をふんだんに使っているというランチは常に好評で、すべての席が女性を中心に埋まっていた。

私たちの隣のテーブルについた男女はなぜか向かい合わず、横並びでずっと話をしていた。歳の頃は三十代後半あたり、男性のほうが少し若いかもしれない。恋人のような類の親密さはなく、タメ口で女性は少し騒がしくも楽しそうに話をしていた。

私は朝からの鬱がひどく、他所様を観察する余裕はなかったけれど、とにかくその二人が延々と仲良さそうにおしゃべりしているのを見ていると、「仲良しっていいなー」ってしみじみと思ってしまった。

私の彼氏はとても頭がよく、話していると楽しくて、友達からは「二人は仲がいいね」などと言われたりするが、それは表面上の話。私は常に緊張している。ボケているのなら突っ込まなきゃだし、クイズならボケるか真剣勝負するかだし、そもさんならせっぱだし。そしてたいていは彼氏の意図を拾えず、「バカな子」(41歳男だが)ということで落ちがつく。

などとむすっとした顔で椅子にもたれていたら、顔なじみの店員さんに妹が声を掛けられる。

 

「ご家族でランチ?仲いいですよね」

 

タイトルは中村航の小説、「夏休み」より。